センスは不要、言い訳はもっと不要。ある職人が【独学】でデザインの扉を開けた話

ゼロイチ

はじめまして。

オジーです。

きっかけは自分への問いかけ

「新しいことを始めるには、もう遅すぎるかな…」
「特別な才能なんてないし、自分には無理だろう…」

そんな風に、心の中で言い訳を探して、本当に「やってみたい」ことから目を背けていませんか?

何をかくそう、数年前までのぼくが、まさにそうでした。

愛媛県松山市で、職人をしています。

本業の仕事はじりじりと減っていき、将来への不安は募るばかり。「このままじゃダメだ」と分かっていながらも、動けない日々が続いていました。

そんなぼくが、ある日突然、全く畑違いの「デザイン」の世界に飛び込むことを決意します。

無謀な挑戦だと思った人もいるでしょう。
「若いから、まだやり直しがきくんだよ」と、思った人もいるかもしれません。

…ちなみに、今のぼくの年齢は、61歳です。^^;

だからこそ、ぼくは声を大にして伝えたい。

この記事は、ぼくと同じ世代の仲間はもちろん、何より、才能がないとか、経験がないとか、そんな理由で一歩を踏み出せないでいる若いあなたに向けて書いています。

61歳のぼくにできたんです。無限の可能性を秘めたあなたに、できないはずがない。

「やってみたいこと」を自分の心に問いかけてたみたシンプルな結果です。

この記事では、ぼくがどうやってその「無理かも」の壁を乗り越えたのか、具体的な学習法から、本当に役に立ったツール、そして心の持ちようまで、ぼくの経験の全てをお話しします。

この記事が、あなたの心の奥に眠る「挑戦の炎」に、油を注ぐことができれば、これほど嬉しいことはありません。


なぜ、しがない職人がデザインを?

「職人として、技術で生きていく」

それがぼくの最初でした。愛媛・松山の地で、小さく事業を営み、お客様からいただく「ありがとう」の言葉を励みに、頑張れるこの仕事が、ぼくは好きでした。

しかし、時代の流れは、僕を取り巻く環境を少しずつ、確実に変えていきました。お世話になっていた取引先との関係性が変わったり、仕事のあり方そのものが見直されたりする中で、

「このまま、今まで通りのやり方だけを続けていては、未来はないのかもしれない」と感じる日が増えていったのです。

このままでは、ずっと心の片隅においてきた大好きなバイクに乗ることも、できなくなってしまうかもしれない。

そして、ぼくの胸にはもう一つ、ずっと燻り続けている夢がありました。

「2029年、草千里バイクミーティングに、自分の愛車で参加する」

この夢を、ただの夢で終わらせたくない。現状を打破し、自分の力で未来を切り拓きたい。

崖っぷちに立たされたぼくが、職人として培ってきた「ものづくり」への情熱を、全く別の形で表現するために選んだ道。

それが、オリジナルTシャツブランド「SOUNEN PLAZA」の立ち上げであり、ぼくがはたけ違いの「デザイン」に挑戦する、全ての始まりでした。


最初にぶつかった「道具という名の壁」

「よし、やるぞ!」

決意したはいいものの、まずぼくの前に立ちはだかったのは、道具という名の最初の壁でした。

プロのデザイナーが使うというAdobeのソフト。その月額料金は、ぼくのような個人事業主にとって、決して「安い」と言える金額ではありません。

契約ボタンを前に、何度も手が止まります。
「本当に、自分に使いこなせるのか?」
「高いお金を払って、結局無駄になったらどうしよう…」
頭の中を、不安と期待がぐるぐると駆け巡る、あの独特のドキドキ感

でも、ここで尻込みしたら、何も始まらない。「これは未来への投資なんだ!」と自分に言い聞かせ、

えいっ!

勢いにまかせて指でクリックしたのを、今でも鮮明に覚えています。ぼくにとって、それがデザインの

世界への、大きな大きな「はじめの一歩」でした。

しかし、その大きな一歩を踏み出した高揚感も束の間、僕を待っていたのは、

希望ではなく、挫折感でした。

パソコンの画面に並ぶ、意味不明なアイコンの数々。専門用語だらけのメニュー。一本の線を引くことすら、ままならない。「これを…使いこなす…?」想像しただけで、ガックリしました。

「やっぱり、自分にはセンスなんてないんだ」
「絵心のない人間が、手を出していい領域じゃなかったんだ」

正直にお話しすると、最初の数週間は、ソフトを起動しては、何もできずに閉じる。そんなことの繰り返しでした。

「もう、やめようか…」

挑戦の炎は、あっという間に消えかかっていました。崖っぷちから、さらに崖の下へ落ちていくような、そんな感覚でした。


救世主は一冊の本だった【全ての非デザイナーにおすすめ】

デザインの勉強をしたことのないぼくにはそれだけでも十分無謀な挑戦なのにプロがつかうソフトを操るスキルは当然持ち合わせていません。

サブスク代の引き落としだけが虚しく続く日々でした。

僕の挑戦は、始まる前に終わろうとしていました。

そんなある日、パソコンの画面から僕の目に、ある一冊の本のタイトルが飛び込んできました。

『ノンデザイナーズ・デザインブック』

「デザイナーじゃない人のための、デザインの本…?」

半信半疑でした。でも、当時のぼくには、とても関心のある表題でした。気になって楽天で検索してみました。

数日後、その本はぼくの手元に届きました。興味を持って表紙を開いたのを覚えています。

そして、その数ページを読んで衝撃を受けました。

そこに書かれていたのは、ぼくが苦しんでいた「絵の描き方」や「芸術的なセンス」といった話ではなかったのです。

一番印象的だったのが

たった4つの、驚くほどシンプルな「ルール」でした。

  • 近接 (Proximity)
  • 整列 (Alignment)
  • 反復 (Repetition)
  • コントラスト (Contrast)

「デザインは、センスじゃない。情報を整理し、読みやすく、伝わりやすくするための、論理的な技術」

そう話しかけてくれたように思いました。

職人が、正しい手順と道具の使い方を知って少しづつ上達していくように、デザインも、このルールを守って練習していけば、ぼくもいつかは「良いもの」が作れるかも!

長年、職人として「段取り」や「ルール」を体に覚えてきたぼくにとって、それは暗闇の中で見つけた、ちいさな光でした。

「これなら、俺にもできるかもしれない…!」

あきらめかけていたぼくにふたたび力をあたえてくれました。


ぼくの独学を支えてくれた「道具」と「オンラインの先生」たち

『ノンデザイナーズ・デザインブック』は、ぼくに「チャンス」あたえてくれました。

そして一人の先生との運命的な出会いがぼくの想いをより強いものにしてくれたのです。

今から6年ほど前。何気なくYouTubeを眺めていて、ぼくは心ひかれる動画に出会います。それが、アミティ先生の動画でした。先生がiPadとApple Pencilを使って、楽しそうに、そして魔法のように文字や絵を描いていく姿に、僕はすっかり心を奪われてしまったのです。

「これをぼくもやっていみたい…!」「ぼくがやってみたかったことじゃん!」

その直感とワクワク感だけで、僕はiPadの世界に飛び込みました。そして、Procreateというアプリで文字を描く楽しさに、すっかり夢中になりました。この「やってみたい」「ぼくもそうなりたいという初期衝動がなければ、僕のデザインへの挑戦は、始まっていなかったでしょう。

新しい動画が配信されるたびにわくわくして見入っていました。

何を隠そう!出会ったとき、ぼくの手元にはiPadはありませんでした。ただただ先生の動画をストップしてはメモを取るそんな繰り返しでした。

iPadを購入したのはそれから約1年後でした。

もちろんオジーですから、24回金利なしのローンでドキドキしながらAir4をポチリました。
今は、それと12.9インチM2 iPad Proも持っています。Air4の支払いが終わったので、どうしても先生の使っているProと名のつく同じものを使ってみたかったのです。完全にオーバースペックですよね。^^;

でも、とても興奮していたのを覚えています。

もちろんAir4をポチったその時の興奮も今でも覚えています。
アミティ先生と同じことができる。待ち遠しい日々でした。

iPadで「アウトプット」することに目覚めたぼくは、自然にデザインの世界にも興味を持つようになりました。そして、あの『ノンデザイナーズ・デザインブック』がぼくに「チャンス」をくれた時からもっと先を見てみたくなりました。 

そこからは、まさに偉大な先生たちとの出会いの連続でした。

Illustratorの複雑な操作は、高田ゲンキさん、タケマンさん専門学校講師のイラレさんの動画が、まるでマンツーマンで教えてくれるかのように、ぼくを導いてくれました。

写真の加工や合成の技術は、Mappy Photoさんが、その奥深さと面白さを教えてくれました。

ぼくの独学は、この偉大な先生たちとの出会いなくしては、絶対にありえませんでした。この場を借りて、心からの感謝を伝えたいです。本当に、ありがとうございます。

もしあなたが何か新しいことを始めたいなら、まずはYouTubeで検索してみてください。そこにはきっと、あなたの人生を変える「先生」が、手を差しのべて待ってくれています。


気づいたこと デザインは「絵を描く」ことじゃなかった

YouTubeの先生たちの動画を見ながら、その中で、ぼくは一つの大きなことに気づき始めました。

「デザインって、絵を描くことだけじゃないんだな」

もちろん、絵が上手いことは大きな武器になるでしょう。でも、デザインの本質はそこではありませんでした。

デザインの本質は、「課題解決」です。

「このTシャツで、どんな想いを伝えたいのか?」
「このロゴで、ブランドの何を表現したいのか?」
「どうすれば、この情報がもっと見やすく、伝わりやすくなるのか?」

その課題に対して、文字の形や大きさ、色の組み合わせ、配置のバランスといった「道具」を駆使して、最適な「答え」を導き出していく。

そうです。それは、僕が長年やってきた職人の仕事と、よくにていたのです。

お客様の「こうしたいんだけど…」という要望(課題)に対して、最適な部材(道具)を選び、長年の経験で培った最適な手順(技術)で、完璧な施工(答え)を提供する。

畑違いだと思っていたデザインの世界と、ぼくが生きてきた職人の世界は、根っこの部分で、繋がっていました。

この事実に気づいた時、無駄なことは一つもない。いずれそれが繋がる時がある。この気づきは、ぼくに大きな自信を与えてくれました。


まとめ センスは不要、言い訳はもっと不要。

ここまで、ぼくの畑違いな挑戦の物語を読んでいただき、本当にありがとうございました。

ぼくがこの経験を通して、あなたに一番伝えたかったこと。それは、たった一つです。

「センス」は生まれつきのものではありません。それは、正しい知識を学び、手を動かし続けることで、誰でも後から身につけられる「技術」です。

そして、今の時代、その技術を学ぶための最高の環境は、もうあなたのすぐそばにあります。僕の人生を変えてくれたYouTubeという教室は、24時間365日、いつでもあなたを待っています。

「もう歳だから」
「自分には才能がないから」
「時間もお金もないから」

かつて僕がそうであったように、挑戦しないための言い訳を探すのは、もうやめにしませんか?

この記事を読んで、あなたの心に少しでも火が灯ったなら、ぜひ今すぐ、そのスマートフォンでYouTubeを開いてみてください。そして、検索窓に、あなたの「やってみたいこと」を入力してみてください。

それが、あなたの新しい物語の、輝かしい第一歩になるはずです。

61歳のぼくにできたんです。
無限の可能性を秘めたあなたに、できないはずがありません。

ぼくの挑戦は、まだ始まったばかりです。この「挑戦する心」そのものを詰め込んだTシャツを、僕はこれからも作り続けます。この物語の続きは、ぜひ僕のSNSで、一緒に見届けていただけると嬉しいです。

そして、いつかどこかで、あなたの挑戦の物語も聞かせてください。

今日は大切なお時間をいただきました。

そして最後までお読みいただき、ありがとうございました。

どうぞお元気で。また、お会いしましょう。

オジーでした。

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